手首の動きだけで繊細な操作が可能。フィネスなカバー攻略に欠かせない一本だね。
小野 俊郎 TOSHIRO ONO
161L-BFS
操作性に優れ、繊細な操作が可能なショートベイトフィネスロッドです。重心が手元近くにくるセッティングになっており、ロッドを立てると実際の重量より軽く感じますね。短いレングスとも相まって、手首の動きだけでルアーをレスポンスよく操作できます。僕がよく行く霞ヶ浦水系などで、杭やブッシュ、消波ブロックといったカバー周りを狙うときは161L-BFSの出番。フィネスに攻めないと喰わないけれど、スピニングが使いにくい状況下で威力を発揮する一本ですね。
今回は昨年販売されたポイズングロリアス161L-BFSについてのインプレをしたいと思います。
購入から日が浅くあまり使い込めていませんが私なりに使用感等まとめていきますので最後までご覧になっていただけたら幸いです。
ポイズングロリアス161L-BFSの特徴
ジグ&ワーミングロッド特有の垂直保持で、ティップが軽量となる
[ジグロッド系・ベーシックスピニング系]
161L-BFS・170H・2510UL・266L・267UL+ ・268M+・2610L/MH・2610L-S
268UL/ML-G・166L+-BFS・1611ML/H・2510UL-S・2610UL/M・2610ML/H
ティップを上方向で保持する時間が長いこのシリーズでは
操作時に前作モデルよりも先軽さを感じる仕様となっています。
上記の事から21グロリアスの進化の過程が分かると思います。
ティップを上方に持ち上げた時に「先軽さ」を感じるってどういう事なんだろう…万有引力の法則を根底から覆しているような事を言ってますが、要は軽いって認識でいいんだと思います。
ポイズンシリーズに限った事ではないですがすでに完成されているロッドをさらに「進化」させる事は並大抵の努力じゃ出来ないしそれに伴って素材の進化があるからこそ出来るのだと思います。
シマノってやっぱりすげぇや!
それではこの先は私の主観による特徴をまとめていきたいと思います。
- とにかく軽い!ショートロッドなので実際の数値より軽く感じる
- 感度がキモイ!キンキンなロッドなので金属の棒持って釣りしてる感覚
- ショートロッドなので取り回しと操作性がイイ!
- 小野さんも言及しているように霞水系のようなライトカバーが多いフィールドでは活躍間違いなし!
- カバーの質等にもよるがパワーフィネスよりも圧倒的に軽いのでカバー攻略の1番手に上がる可能性も
2.感度について
金属棒でカーボンモノコックグリップを叩くと、甲高い金属音が鳴り響く。
高周波の振動を拾うのは、高感度である証し。
その理由は、グリップが限りなく薄く、軽いから。
気配さえもとらえる薄肉構造。
これまでの“感触”は、“響き”へと変わる。
加振試験で実証されたフルカーボンモノコックグリップの実力。
図1はフルカーボンモノコックグリップと初期のカーボンモノコックグリップに同様の振動を加え、その伝達能力を比較した波形グラフ。濃いブルーが新型、薄いブルーが旧型の振動出力を表したもので、新モデルの出力値は従来比128%という劇的な向上を記録した。図2は同データを周波数解析したもの。赤線がフルカーボンモノコックグリップ、青線がカーボンモノコックグリップで、フルカーボンモノコックグリップは若干高周波に振れ、ピーク値がカーボンモノコックグリップよりかなり高くなっているのがわかる。
ポイズンシリーズの共通事項である感度については私が言及すると「感度がヤベー」だの「感度が凄い!」だの語彙力に欠ける発言が多いので今回はメーカーの製品説明から一部抜粋させていただきました。
科学的根拠に基づいた説明を見てもらった方がどのように「スゲーか」よく分かりますからね!
3.取り回しと操作性がイイ!
これについてですが今回のロッドは1.85mとかなり短いロッドなので取り回しのよさや操作性に優れていると言えます。
「操作性」のキャストについてですがエクストラファストテーパーの恩恵、又はとても繊細なティップの影響もあり高次元にキャストが決まります!
後ほど解説しますが1.8gのスモラバにハンハントレーラーというハナクソみたいな軽さのルアーも狙ったピンに運べるのでキャストに関しては及第点以上の評価になると思います。
ルアーの操作性に関しては正直う~ん…といった感じでしょうか。
ダウンショットやネコリグをボトムでズル引くなら高感度も相まっていいと思うのですがシェイクとかは苦手かな…?これも後ほど解説します。
4.ライトカバーが多いフィールドでは活躍間違いなし!
冒頭の小野さんのインプレでも言及されていますが霞水系などライトカバーが多いフィールドでは間違いなく1stチョイスされるロッドだと思います。
Lクラスロッドですのでどぎついカバーには無理がありますがテトラや沈船周り杭やブッシュなど比較的ライトなカバーには最適な一本だと思います!
ポイズンシリーズ特有のブランクスの粘りや復元力により大抵のバスなら無理なくカバーから引きづり出せるでしょう。
ここからはこのロッドの不満点などを挙げていきたいと思います。
- 硬い!キンキンの棒ロッドなのでルアーの操作性が悪い…ボトムでズル引くなら高感度も相まっていいと思うが使うリグによって顔つきが変わる…ある意味尖ってる
- 上記でも少し触れているがカバーの質によっては使えない…主に霞水系のようなライトカバーでの使用が前提となる
- よくベイトフィネスをスピニングの代用だと認識している人が居るがこのロッドはスピニングの代用にはならない、代用探しならフェンウィック一択
- ラインスラックを叩く釣りには多少不向きな気がする、スモラバの中層シェイク等すぐラインが突っ張ってしまうので慣れが必要、よく言えば玄人向きなロッド
1.とにかく棒!硬くてルアーの操作性が悪い
これについては前述したようにキンキンの棒ロッドなのでルアーの操作性はよくないです。
ですが使用するリグによっては抜群の使用感を発揮するので各リグによっては顔つきが変わる面白いロッドだともいえます。
ロッドによって使用するルアー、リグは当然違うので使い分けが重要になると思いますが、シェイクを捨ててボトムズル引きに特化するならそれもアリだと思います。
私はPEラインで使用していますがこのロッドはフロロがベストかもしれません。
2.カバーの質によっては使えない
ベイトフィネスとはいえライトクラスのロッドなので濃いカバーには当然不向きだといえます。
この事からリザーバーで使用する際は優先順位が下がってしまうのでおかっぱりでの使用が前提になると思います。
やや強めのカバーが多いフィールドでは大変頼もしい存在になると思いますがスピニングの代用とまではいかないと思うので繊細な釣りがしたいなら迷わずスピニングを持参するべし!
どうしてもベイトフィネスでスピニングの代用を考えるならフェンウィック一択です。
4.ラインスラックを多用する釣りには不向き
こればかりは人によると思いますがテーパーの性質上ラインスラックを叩くといった作業が少し難しいように感じます。
慣れてしまえば問題ありませんが中層の釣りなどは無理せずスピニングロッドやレギュラー気味のロッドを使用したほうがいいでしょう。
ロッドスペック
■品番 161L-BFS
■全長(ft.) 6'1"
■全長(m) 1.85
■テーパー FF
■継数(本) 1
■仕舞寸法(cm) 185
■自重(g) 82
■先径(mm) 1.5
■ルアーウェイト(g) 3.5~10
■適合ラインナイロン・フロロ(lb) 6~12
■適合ラインPE(号) MAX1.5
■グリップ長(mm) 210
■カーボン含有率(%) 99.9
ロッドの自重
長さ1.85mで82gですからアルティマシリーズと比べると多少重いみたいです。
それでもこれだけ短いと実際の数字より軽く感じますね!16アルデバランと合わせると異常なくらい軽い!
それにしても見た目やばすぎん?16アルデバランを黒にチューンしているんですがグロリアスと合いすぎやろ!マジカッコよすぎる!
適応ルアーウェイト
3.5g~10gとメーカーから発表されていますがメーカー適合表を見ると巻きにも使えそうなので以外とバーサタイルに使えるのかもしれません。
スピナーベイトに〇が付いていますがデラスピンの使用を前提にしているのでしょうか?このロッドではさすがに使いたくない…
使用感
ここからは私が実際使ったルアー、リグなどについて使用感としてまとめていきます。
とその前にタックルセッティングはこちらになります。
- ロッド:ポイズングロリアス 161L-BFS
- リール:16アルデバランXG(アベイル浅溝スプール)
- ライン:スーパートラウト0.8号(PE)
- リーダー:レッドスプール7~8lb
プラグや巻きについて
使用したルアーはソウルシャッド45~58、他各種プラグを使用してみました。
45については無理に使用する必要はないですがおかっぱりでの一本を想定した場合必要になってくると思いますので今回入れてみました。
正直リールの性能によるところが強いので一概に使えるとはいえませんが飛ばせるリールであれば問題なく使えると思います。
ですがティップに張りがありバイトを弾く可能性もあるのでドラグ調整はコマめにしておいたほうがいいと思います。
その他ソウルシャッド58、ハイカット、ポッパー、ペンシルなどの使用感については及第点といった感じでした。
ダウンショット
- レッグワーム+タングステンシンカー1.8g~3.5g
- 2way+タングステンシンカー1.8g~3.5g
- マイラーミノー+タングステンシンカー1.8g~3.5g
- スクーパーフロッグ+タングステンシンカー1.8g~3.5g
上記のセッティングで使用してみましたが特にダルさも感じず快適に使用できました。
ロッドが超高感度なのでダウンショットシンカーはタングステンのシンカーをおすすめします!
5g以上のシンカーは使ったことないので正直未知数ではありますがワームをダウンサイジングすれば問題ないと思います。
ネコリグ
- スワンプミニ+ネイル0.9g
- HP3Dワッキー5in+1.3g~1.8g
ちょっと極端ですが上限と下限という意味合いで使用してみました。
スワンプミニに関しては正直リールの性能によるところが大きいと思いますが向かい風だと結構バックラッシュしてしまうのでその点に気を付ければ問題なく使用できると思います。
HP3Dワッキーは重量があるのでキャストに関しては問題なし!
操作性に関しても程よくティップが入ってくれるので使用感としてはとてもよかったんじゃないでしょうか。
スモラバ
- コスモ1.8g+ハンハントレーラー
- コスモ2.5g+ハンハントレーラー
- コスモ3.3g+MPS
- 自作3.5g+MPS
上記のセッティングで使用してみました。
ボトムで使用する分なら高感度も相まって抜群の使用感でしたが、中層で使用するとなるとやはり硬めのティップが仇となるのか少々使いにくさは感じました。
霞水系の杭周りや本湖の水門周りなどカバーをタイトに撃ち込んでいくには最適だと思いました。
ノーシンカー
これに関しては言わずもがなって感じですが実はノーシンカーが一番使いやすいのかもしれません。
ロッドの性質上といいますか私個人的にはシェイクがあまり得意なロッドではない気がするので高感度を生かしフォールからの放置やドリフトといった釣りに向いていると思いました。
軽量、高感度なので対スモール用に導入するのもいいかもしれないです。
まとめ
このロッドを購入したのが昨年12月だったと思うのでまだ2か月しか使用していませんがこのロッドのクセや使用法など少しづつ分かってきた気がします。
私としては柳瀬川など流れが強いところでの川スモールやリザーバーでノーシンカーをメインに使う予定です。
おかっぱりでは持っていけるロッドに限りがあるのでベイトフィネスをスピニングの代用と考えがちですがこのロッドでは正直厳しいと思います。
ただキャストして巻くとかフォールさせるだけなら問題ないと思いますがスピニングの領域だと「より軽い物」を「より繊細に」扱わないといけないのでこのロッドに限らずベイトフィネスロッドでは無理があると思います。
どうしてもスピニングの代用をと考えているのならワールドシャウラの0~1、フェンウィックのUL等で検討した方がいいと思います。
最後になりますが私自身このロッドの使用歴が浅くまだ上手く使いこなせていませんのでこのロッドのクセや特徴が見えてきたら再度長期インプレとして追記させていただきます!
それではまた!